【火野正平・出演TVドラマリスト】おまけ資料
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14週「年明け ほんわかと…」 1/4-1/6 |
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77) 昭和43年元旦。晴天 全員晴れ着で、おとそをいただき、新年のあいさつ交わす徳永一家。 祖父母は、金婚式を迎える。大阪と奄美の御節と雑煮が、例年のならわし。 さっそく健次郎にお年玉を催促する登。子供らは、お年玉忘れた喜八郎イシと退場〜 健次郎・町子、三盆・若水など正月のならわしについて話す。 ♪年の初めの〜と歌い出す 町子「私の一番の楽しみはね。百人一首。お母ちゃんもお婆ちゃんも真剣に競い合うてたからね」 子供時代の回想〜昭和14年元旦 (懐かしい写真館) 読み手は茂。ええ声が自慢。 和代・文代・昌江・イト・町子の真剣勝負!孝子はお汁粉に夢中 町子「はいっ!」ニラむ文代。和代も「ハイッ!」緊迫したムード 上の句勝負。 「お手つき退場」の厳しいルールだ。 〜昌江退場でお汁粉食べている。〜続いて文代も退場&お汁粉。 町子「ハイッ!…あ。違う」 茂「はい。マコ。お手つき〜!」 最後は。和代・イトの一騎打ち! 最後の1枚は読み札に、ダミー入れるのが決まり。 イト「ふっふふ。引っかかりますかいな」 和代「はぁい」目がキラリ☆ わくわくしながら見ている町子。 茂「君がため〜」 和代「ハイッ!」 イトは空振り、悔しそう; 和代「今年は最後の一枚取れましたわ〜」得意気 イト「しゃーおません。お得意の義孝だったさかい。んふふふ」 バチバチ☆ 徳永家・居間〜 町子「楽しかったなぁ〜楽しんで覚えて」 健次郎「あんま言いたくないけどな。ボクは兄貴におしえてもらってん」 清志・隆、応接間でTVオン 健次郎「あかん;あかん:こんな言うたらまた忍び寄って来よる」 町子「怪盗ルパンやないねんから」 「似たようなもんやで」 町子「お兄さん。どこでお正月迎えてはるんやろね…1人なんやろか?」 健次郎「どっかで飲んどるよー」 清志「あっ。おじちゃんや!」 健・町子「!?」 応接間へ移動 TVの中継画面に、屋台で「たこ焼き」を売る昭一。鉢巻にタコの絵のエプロン。 昭一「ヘイ!お待ち〜彼女達べっぴんやからな。3個おまけしといた!」 晴着の2人「うれし〜おおきに♪」 「おめでとー今年もよろしくお願いしまぁ〜す♪」深々と頭下げる レポーター「景気はどうですか?」 昭一「えっ。テレビか!あはは。」 喜八郎・イトもテレビの前へ。 昭一「あけましておめでとうございまーす!タコが売ってるたこ焼きでぇーす♪」 健次郎「おおきにって言うとったな」 町子「大阪にいてはるのかな?」 TVの昭一「今年はね。コレ元旦から …… 間違いなしっ!」 喜八郎「何をしとるのかな?」 イシ「1人で年越ししたのやろか…」 TVの昭一「たこもびっくり〜カメラうなずいて〜ウン!ウン!」 昭一が現れないまま、元日は終わり〜 そして2日、祖父母と子供達が出かけ、作家仲間や編集者達が集まることに。 健次郎「誰が来はるんほ?」町子「加藤舞子さん」 健「加藤先生ウチ来はるの!」 町「噂聞きつけて見てみたいんて」 健「何の?」 純子「大先生に決まってるじゃーありませんか!」 健「ボクゥ?」 町「イカリの舞子さんて名前が通ってる。私と違ってものすごー怖いですからね」 健「あんたよりまだ怖い女の人がいましたか。」 町「私なんて3歳児ですよ」 徳永家、客間〜 加藤先生(岡田茉莉子) にお酌する町子。 舞子「池内さんこられへんの」 編集者松岡(寺杣てらそま昌紀)「用事が済み次第…」 神辺ソノ子(もたいまさこ)「お逃げになったんですよ。正月早々イジめられるのが嫌で」 舞子「失礼わー。議論に負けるとスグそれ。だから戦後派の男はダメなのっ」 健次郎「失礼します。いらっしゃいませ。あけまして…」 ガチガチ 町子「あ。夫の健次郎です」 舞子「お正月からお邪魔したしましてー」 舞子「噂より。ずっとステキ♪ ね。おソノちゃん」 ソノ子「はいー」 可愛げのある男、女について議論。舞子の辛口発言に、皆タジタジ; 舞子「そや、唄歌って」 困った町子、大阪市の市歌を熱唱。 「詩がキレイ」だと舞子に褒められる
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78) 新年2日。加藤舞子先生らと宴会続行中〜 ソノ子、舞子の話から「猥褻とはなんぞや」という話に。
健次郎「僕にとって猥褻とは忠臣蔵なんです」 親父の歌〜♪大高源五(播磨赤穂藩士)は橋の上〜私ゃお前の腹の上〜 健次郎「母がやめなさい!とさえぎる方が猥褻なんです。自然やったら猥褻なんてないんですよ」 舞子 「猥褻っていう言葉を作ったこと自体が猥褻です」 健次郎と意気投合。 ソノ子さんにとって猥褻とは新婚旅行 「宮崎の海岸でカップルでいるんだけど、ただ歩いてるだけでしょ。…押さえてるからー余計おかしい。 そういうのが海岸いっぱいで、海岸いっぱいの猥褻感なの」 一同笑い☆ 子供ら帰宅 町子「大人の楽園は終了」 スイマセン…と机に顔伏せるソコ子; ←マジ笑いか? 喜八郎・イシも帰宅。一真和尚・工藤・俊平もやってきた。 病院の玄関に、石川サキさん(河東けい)「お薬もらいにきました」 年末に渡しておいたのを覚えていない様子; 健次郎診察「お正月は息子さん迎えに来て家に帰るて?」 サキ「息子?名古屋や。1日の朝にきますねん」 ボケているようだ; サキ「先生はどうしますの?正月」 イシが老人ホームに連絡したが留守。息子も不在。町子「ひどい話や」 健jリ王「事情があってやろう」 夕方になっても連絡取れず。宴会は続く。舞子「池内さん来るまで帰らへんからんねー」 待合に、サキと健次郎。新しい嫁の話。 記憶は曖昧だが、身体も会話もしかkりしているサキ。 雑煮と数の子ふるまう町子 サキ「お正月しか食べられへんのに♪」 町子、電話するが連絡とれず「追い出されたんかな?かわいそう。。」 健次郎「大阪離れとうないんやて。19で嫁いできて、ご主人と散髪屋。大阪しか知らん。 死ぬときは主人が亡くなった大阪でと決めているんやて。息子が来るからて(待合から)動かへん」 そこで、全員が試合室に移動して、宴会を続けることに。 健次郎「なにもみんな連れて込んでも…」 町子「そうかて;すいません」舞子に詫びる 舞子「お医者さんの待合室で宴会なんて、人生そぅ何べんも出来ることじゃないからな。 さすが花岡さんトコ。、お正月から色々おきるわ。年老いた母親一人にするなんて;許されへんわ。怒」 やっと息子に電話が繋がった。「あんた何考えてんのですか!!」怒る町子 居間〜 純子「何処にいたんですか?ほったらかしで」 町子「違う違う;ほったらかしやなかったんよ;」 1日の朝から有馬温泉に行ったが、1人で居なくなってしまったらしい。警察にも連絡していたらしい。 町子 「無事でよかったって泣いてるんよ。また早とちりしてしまった;」 待合で宴会は続く ♪年の初めのためしとて〜 まもなく家族が来て先は無事に帰宅。 夜の台所〜 純子にお礼を言う町子。純子帰宅しようとして立ち止まる。 居間〜 純子前掛けから出した時計見る「大先生、ちょっとだけお電話お借りしてもよろしいでしょうか」「どうぞどうぞ」 純子「もしもし。あはっ♪お父さん?あたし純子。そっちどげんね?寒かと?風邪ひかんごつせんといかんよ。 やっぱり来週そっちに行くけん。うん。日帰りになるかんしれん。えっ!ほんとね!?…」 皆、微笑ましくみている。 深夜の仕事場 町子「お母ちゃん?もう寝てた?旅館のお料理どう。美味しかった? お湯は?湯あたりしたて〜?近々一緒にミナミでご飯でも食べようかと思って。うん…」
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79) 年も明け、町子は「カモカのおっちゃん かく語りき」の執筆を再開した。 徳永家にやって来てからの回想。
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15週「奄美想いて」 1/8-1/13 |
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80) 仕事場〜 町子「えっそんなに反響が!?うれしぃ〜わ♪」 恋人・夫婦・家族模様を綴るエッセイ「カモカのおっちゃん かく語りき」連載が大好評! 待合の患者さん「ほんまもんや!あっはっは♪」徳永医院も盛況 「カモカ人気で満員なるかも」と鯛子さん 居間〜 鯛子「カモカ先生中年族のアイドルですよ」 健次郎「わたしはジュリーか?」 一同笑い ご夫婦で楽しみに〜という読者も多い。 健次郎「少しは世の家に貢献してるわけやな」 晴子さん登場〜 職場で「カモいも」と呼ばれるとこぼす; 健次郎「おいしそうやん」 晴子「ヒトを賀茂なすみたいに;」 純子「大阪の人ってなんでも縮めるんですか?」 健次郎「 せやね。 天神橋筋六丁目は「天六」、谷町九丁目は「谷九」や」 喜八郎登場〜 イシ「どこ行ってたんです?」 喜「ウエロク」→上本町六丁目 一同笑い 喜八郎→町子にお願い。繊維組合・役員の友人の会合で講演してほしい。 町子快諾。 町子と健次郎。廊下で祖父母の金婚式準備の相談。 町子は明日有馬温泉に一泊。健次郎は、一真和尚と夜釣りの予定。 祖父母は居間で仲睦まじげ。 夕方、登と隆が帰宅。服の下に何か隠している登。子犬か? 町子。酒屋で樽酒を注文。嫁→工藤「人さんに祝おうてもらえるように、かいらしぃお爺さんになりや」 もめる酒屋夫婦に町子「同点同点!はいっ!似たもん夫婦」 徳永家〜夕飯はお鍋。 町子、留守にするので明日のことを頼む。 由利子「金婚式か〜すごいなぁ。50年たったんよ、おばあちゃん」 わいわい食事 登「こちそうさま。食題してくる」 町子「…今、何て言うた?」 健次郎「宿題て…;」 町子「明日…雪かなぁ?」 翌日は雪(笑 喜ぶ子供達。 登&隆、なにやらコソコソ 町子は有馬温泉へ親睦会。健次郎は釣りへ〜 夜の居間〜 祖父母と子供達。登は宿題。内緒事があるので「布団も自分で敷く」と子供ら。 清志 「うちは医者やから、動物は飼われへんってお父ちゃんから言われてるやろ」 登「こんな寒い中…死んでしまう。かわいそうや。黙っといて」 清志「すぐバレる。知らんで;」 居間で亜紀の泣き声。駆けつけるイシ。喜八郎「堪忍堪忍。ふざけとったらコケてしもうて;ここでゴツンと」 亜紀を抱き締めるイシ。 深夜に泣いている亜紀。腕が腫れている 由利子も見に来る「おじいちゃんは?」「飲みに行ったみたい;」「晴子おばちゃんに電話する?」「様子見てな;」 11時。まだ泣いている亜紀。亜紀を抱きしめて不安そうなイシ。 慶四郎、酔って帰宅 「どないしたんや?」 イシ「どないしたーやあらしません!痛い痛いて…こんな時おとうさん。。」 慶「何ぼんやりしてんねん!早いこと医者に連れて行かんかいっ」 イシ呆然「私一人で…まさ子が泣いてるのに;私一人で」 喜「何を言うてんねん;いま、まさ子て?」 イシ我に返り、亜紀を抱えて、晴子の病院へ跳んで行く。 亜紀に大事は無かったが、翌朝イシがいなくなっていた。 健次郎「起きたらいててんかったんやて」 喜八郎「散歩にしては、ちょっと長いなぁ」 町子「おとうさん!そんな呑気なことを!何があったんですか?」 喜八郎「何もあらへんで」
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81) 金婚式の朝〜 家出したイシは午後になっても帰らず; 「元の場所に戻せと」健次郎 「寒いやないの」と町子 ←すっかり情が沸いた 登「おばちゃん。カクニ、ウチで飼いたい?」「何や?カクニ?」「茶色いから角煮」あははと和む 健次郎「可愛らし名前つけにゃ」 隆「可愛らしかったら飼っていいの?」「あかーん」ブウブウ 町子「犬は好きやけど、そういう事と違うのよ;患者さんの中に大嫌いな人がいてるかも…」 健次郎「あかんモンはあかん!」一喝 角煮の貰い手を探す町子。弟・信夫に電話するがアパートでは無理; 角煮の行き先は見つからない。喜八郎も家に戻らず。 食事もとらない母を心配する町子。 せっかくの祝いをダメにしたことを謝るイシ。 イシ・町子はたこ芳へ。←本当はお腹が空いていたのだ* 「あったかいもの入れましょ」と町子、店の中へ。先客は楽団員 「美味しそうな提灯でつい。そしたら、女将さんとウィ〜ンの話で盛り上がってしまって」 町子「ウィーンにもいてはったんですか?」りん 「ボーイフレンドがウィーンフィルでフルート吹いてました」 りんに見送られて、楽団は帰宅。 イシ・町子は奄美の話「私の村は、お父さんとこよりもーっと田舎の小さな集落でね〜」 川でハイビスカスの花で髪を洗い、夕方ガジュマルの木の向こうに大きな太陽がジュッと音をたてて沈むー 楽しそうなイシ。「見てみたいなぁ」と町子「あの。おかあさん喧嘩なさったんですか?」 イシ「不安になってしもて。泣いてる亜紀と2人きりでいたら…あの時のことが−」 「…ううん」と口をつぐむイシ。 町子は聞くことができず…
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82) 昨夜遅く帰ってきた喜八郎。イシとは口もきかない。町子は、たこ芳でのイシの様子を健次郎に話す。 −不安になってしまう。あの時のこと…− 町子「何のことか?」 角煮は、文学学校時代の友人・加代子(久々登場)の家に行くことに〜 加代子の家には、柴犬のクッキーもいてるらしい。泣いている登 「可愛がってな…」 加「心配せんかてええからな♪」 角煮、加代子抱かれて退場〜 泣きながら家に入っていく登。「今度2人連れて見に行ってくると」清志。 健次郎「ついこないだまで、あいつ(清志)が、ヒヨコや猫連れてきたのに…」 町子「お兄ちゃんの顔だった。」 健「大人じゃないのは、両親だけや;」 あいかわらずの両親。この日は口きかず。 翌日・医院〜 コレといった症状も無い変な患者が増えた。原因を知ってると鯛子「先生のせいです!ファンですよ」 健次郎「はぁ?」「嬉しそうに帰って行きました」 あきれる健次郎。 夕方〜 公演から戻った町子「お父さんの顔を潰した」と詫びる。「あんたのせいじゃ;」となだめる喜八郎 居間〜 町子が会場で喧嘩をしたらしい。頭下げ詫びる町子。原因は…健次郎? サインしてたら、酔った男が「ええ嫁さんもらった。宝くじや。週刊誌に名前出させてちゃっかりした商売人だ」と。 「お父さんが悪いんですよ。酔っ払いが来るような所で;人の気持ちがわからへんのよ!」怒るイシ 「わしのせいやない!飲んでくる」出て行く喜八郎。 「どいつもこいつも」と健次郎「放っておいたらええねん…」 町子「放っておいたら、認めることになるでしょ!?商売のために書かせてるなんて!いやですもん」興奮; 健次郎「半分味方でええ方や。みんながみんな面白いと思うか?最初からそのくらいの腹くくっとけ!」 町子はしょんぼり。。 深夜の居間〜 イシ「あら1人珍しい」町子「あの後、健次郎さんとちょっと…」 女2人で晩酌はじめる。 思い切って、訊ねる町子「あの時って?」 イシ「娘がいてたのよ。健次郎と晴子の間にもう1人。病気で亡くしたの。生後3月足らずでね。マサコっていうの ある日急に高熱出して。あの日は、お父さん九州へ行ってて留守の日で。薬飲ませても熱が下がらず、 村には1人の 医者も往診で留守。待合で泣いてるマサコ抱えて待ってたら、心細うて。だんだん大人しうなって お医者さん帰ってきはったけど、そのときはもう。 幸い晴子は丈夫に育って。でもマサコを忘れたことあらへん。 あの子の分もと思って、一生懸命大きくした。 痛がって泣く亜紀を抱いて待ってたら、急に思い出して… 女の子が生まれたときは嬉しくて。おとうさんが、真っ白い半紙に(命名・マサコ)って。黒々とした字が今でも目の前に… おかしいね。40年も経ってるのに 」 町子「時間なんか、関係ありません!大事な人を亡くした、痛さや怖さは、どんなに時が経っても 前と同じように戻ってくることがあるのと違いますやろか?」 2人で泣きながら話す。イシの背負う悲しみを、初めて知った町子だった。
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83) 深夜の居間〜 一人で泣いている町子。講演会のことかと勘違いし慌てる健次郎;イシが怒った理由を聞く。 町子「忘れてはるのかな?そうならかわいそう…」 父に話してくれという町子。 健次郎「そりゃよけいなことや。夫婦のことに口を挟む事やない。それに、お袋かて忘れとる。大事なことを…」 町子「ど−いうこと?」 健「まわりかて見えてるのに、本人らは、それが当たり前になってる」 「気になって寝られへん;」と町子。健「2秒で寝てるわ。心配すな。お袋かてアホやない」〜退場 翌朝〜 わけの解らない町子;気をもむばかり; 加代子から電話。角煮は、先輩犬クッキーと相性が悪く、いじめまられているいらしい; 返したいと申し出。 喜ぶ登と隆。 町子「出戻りやね;」 晴子「おはよ」イシ「たまにはご飯の支度くらい;」ブツブツ 角煮は飼えないと念を押す健次郎。登「何で医者の子に生まれたんやろ;普通の家がよかった」「アホー;」 登「何でお医者さんになんかー?」 晴子「今からでも、映画俳優にでもなったら〜?」健「誰がしょーも無いこと;」 晴子「昭一兄ちゃん言ってた。船乗り、料理人。色々いうてたらしいやん」 町子「なんで医者に?」 晴子「お父ちゃんに言われたからやろー」 健次郎「なりたいから。なったんや。」ごちそさんーと退席。 真剣な顔で、何か考えているイシ。 町子、出掛けの晴子に「医者になった理由」を聞くが相手にされず、靴を持って逃走; 晴子「お父ちゃんは、昭一兄ちゃん医者にしようと思ったけど、医者の学校アカんかって… せやから健兄ちゃんが医者になったの。わかた?」 町子「何で仲買じゃなくて医者に?」 「それは…私の上にいてた赤ん坊を亡くして、村に一人しかお医者さんいてへんかったから、悔しい思いしたから せやから、息子を医者にしたかったん。 」 町子、廊下で健次郎を呼び止める。「しーっ」 庭で話す両親を。こっそり見ている健次郎。 喜八郎が、イシに何かを手渡している。 健次郎「何やろ?アレ」 ソレを大切そうに抱え、泣きだすイシ。 晴子から聞いたことを話す町子。健「それだけが理由やない。ただどっかにソレがあることもホンマや」 喜八郎とイシは仲直り。寄り添う二人。 健「親父が言うたんや。医者んなって、マサコみたいに病気の子ようけ助けたれって。 お袋も知ってるはずや。 ボクが医者を続けてる限り、親父は忘れるはずない。 」 ある晩〜 金婚式やり直し。子供達「せーの。金婚式おめでとぉー!」花束贈呈。 数日遅れのお祝い。 ご近所さんや、鯛子さんも笑顔で白書。 戻ってきた角煮の行き先も、まだ決まらない。 サンシン弾く喜八郎。子供達が踊る。孫に誘われ、イシも着物で踊りだし、皆が踊る♪宴会は深夜まで続いた〜 満月の庭〜 登と隆は角煮を抱っこ。そこへ爺「飼うてやれたらええのにな; 安心しい。 じいちゃんが見つけたる。すぐに会えるところにな」 登「ほんま?」 喜「約束や!」 居間〜 健次郎・喜八郎2人きり。喜「50年やー。あっという間。お前らもすぐじゃ」 健「何みせとった?紙」 喜八郎「アレは内緒♪おかあさんとわしだけのヒミツ。えへへ」 喜「おなごちゅーのは、ほんまにアホやな。わざわざ口にして言わんかて、わかっとるやろなー思うのに なーんもわかとらん。けどまーこれだけかいらしーもんもないからな。 よー覚えときや。オナゴは男とまるっーーきり違う。よー覚えときや。よー覚えときよぉ」〜退場 廊下ですれ違う町子・喜八郎「今日は楽しかった♪おおきに」「私たちも♪おやすみなさーい」 喜八郎「あ。町子さん」振り返り「健次郎たのむわな。おやすみー」 晩酌はじめる2人〜 健次郎「角煮の行き先みつけなな。おりんさんとこ張り紙しとこか」 町子「おりんさん…?あーっ!!」 たこ芳に走る町子「すいませぇん;」 待ちくたびれる楽団員たち。呑んでいる 「ああ。そろそろ出番ですか?」 町子「お兄さんの気持ちや思って:すっかり忘れてたー」 りーダー「ほらいきますよ。」 酔って立てないメンバーたち「寝ちゃダメでしょ。寝ちゃだめーZZZzz」立ったまま寝; 数日後〜 「おとうちゃん!」慌て廊下を走る由利子。今では夕食の片付け。健次郎「なんや?」 由利子「おじいちゃんがお風呂で!」 駆け出す健次郎。母の手をとり走る町子
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84) 風呂で倒れた喜八郎。脳溢血で病院に運ばれるも、翌朝かえらぬ人に… 金婚式から数日後だった; 玄関に、忌中の張り紙。葬儀は一真の寺で行われた。すでにお骨になった喜八郎。やさしい顔の遺影 夜の居間〜 お茶飲む大人たち。健次郎と晴子は香典の整理。 礼を言うイシ。 町子「編集者の人たちが、お父さん見たいなのが理想やなって。」 健次郎「あんたのエッセイでは、面倒見がよくて、おだやかで、気前がよくて、おもしろくて」 町子「どっか違いますか?」 健「ええように書かれすぎや」晴子「お兄ちゃんもそやない」健「どっか違いますか?」 少し寂しげに笑う皆。 寂しそうなイシは退席。 心配する町子。。 健次郎「兄貴は?」 町子「お寺で精進落とししたあと…」 戻ってきたイシ「なあぁ。写真知らん?お父さんの」 遺影が無いと不思議がる一同。 どこからかサンシンの音と歌い声〜♪ ♪わたしがあなたに惚れたのは、 ちょうど19の春でした〜 待合室〜 昭一と芸者3人が床に座り、奄美の民謡を歌っている。 町子「お兄さん」 健次郎「何をしてんねん!」 傍らのイスには、喜八郎の遺影。床には、日本酒とつまみ。 昭一「あ。ちょと待って!ちょうどええとこ来た。みんなで歌おう親父の追悼や」 晴子「お兄ちゃん。この人ら何?」 昭一「あのなー 親父は。あのいつでもにぎやかなこと好きやったやろ。 葬式終わって、みんなしんみりしてみい。親父寂しがるやないか。みんなで歌お歌お! ほな。最初からお願いします。 」 ♪わたしがあなたに惚れたのは、 ちょうど19の春でした〜 健次郎 「近所迷惑やし、不謹慎や!」 町子「健次郎さんー」 歌を口ずさむイシ。顔にうっすら笑み* ♪いまさらいえんと〜いうならば〜 床に座るイシの肩に手を回し、ちょっと腰を浮かして場所をあけてやる昭一。 イシの姿をみていた、健次郎・晴子・町子も、腰をおろし一緒に口ずさむ。 ♪いまさら離縁というのならば〜もとの19にしておくれ〜 お父ちゃんの写真に寄り添うイシ。目からすうーっと涙。 ♪もとの19にするならば〜庭の枯木を見てごらん〜枯木に花が咲いたなら〜19にするのもやすけれど 翌朝〜 玄関から、カラの一升瓶をもって出てくる晴子。 「角煮か。旨そうな名前つけられたな」角煮に話しかける昭一 「お前いくとこないねんてな。オレが連れてったろか?どっか。ふん」 晴子「おはよ。寒いのに何してンの」 昭一「おー。早いなえらい」 晴子「待合室掃除してたの」「あーそうか;すまんな。夕べのみすぎた」ぐたーり」 晴子「お葬式の晩にドンチャン騒ぎなんてー近所の人どない思ってはるかー」 昭一「島やってみい。三日三晩踊ってるで〜」 晴「ここは島やないの。」「んー。そら思ったより急やったな…」 「あたしもびっくりしたわ。夜勤で医局にいてたら急患でおとうちゃん来てるて言われて…」昭一「…」 晴「せやけど、おかげで私は間に合うた。ごめんなお兄ちゃん」 昭一「何を謝っとんのや。お前。こんな生活してんねやモン。親の死に目になんてあえるかいな」寂 昼・きつねうどんタイム〜 昭一も一緒。 純子「あのー誰か表でウロウロ;」 昭一が玄関先へ見に行くと5人の男が立ち話。「ちょとぉー。ちょとあんたら何?」 ひるむ男衆〜; 健次郎も来た。挨拶する男達「センセイ!」牛山だ 牛山「線香の一本でもと思ってきたんやけど。わしらみたいなもんが失礼かと…」健次郎思い出してしんみり。。 怒っていると勘違い「ホラ迷惑やで。帰ろ帰ろ」 健「違う違う」昭一「待って待って」 あがって線香上げてもらうことに。 そこへ、耕助「家内です。結婚しました」傍らに女性。 居間〜 イシを連れてくる昭一 イシ「やーみなさん。おおきに」正座して深く頭下げる。 牛山「世話になりっぱなしで、命まで救ってもろうた」 耕助「いつも、公園に食べるもんもってきてくれはって。よう呑ましてもらいました」 牛山「あんたの島歌、もうきかれへんなぁ。。ほんまようしてくれた」 話を聞きながら、廊下で空を見上げる昭一。 「むっちゃ言うてた。うちにも一人風来坊がおってな−−」 町子横目で昭一を見る 「きっとどっかの空のもとで、だれぞに親切にしてもうてるはすやから、おあいこやって。」 ふりかえる昭一。イシ「この人…そんなこと。」 遺影の笑顔見つめ昭一、じいい〜ん。 健次郎「和尚さん来てるからちょっと来て。兄貴も」 一真「ほな。四十九日は身内だけやな」 イシ「そうしましょ」 一真「納骨は…」 お茶も遠慮して帰る耕助・牛山 昭一「えらいすいませんねー」と退席。 和尚「お参りか?」「世話になりましたって」「ほぉぉ」 帰り際「お墓のことはまた」と和尚。 何か心配気なイシ。 和尚「そやそや。すっかり忘れてた。」 健「何です?」 「実はな、金婚式の次の日、喜八郎さんうちにきてな。あの犬の名前、何やったかな、角ベエやったかな?」 町子「角煮です」 「その角煮を引き取っててもらえんかと」 前の犬が亡くなって、重いがあるからと思ったがー喜八郎の頼みなのでーと和尚。かなり犬好きらしい♪ 居間〜 健次郎「角煮の行き先決めてたとはな」 イシ「ひとこともいわんで」 昭一「どこいくの?」イシ「ちょっと横になってきます」退場〜 健次郎をじーっと見つめる昭一。 2人きりで、居心地悪い健次郎;背を向ける 昭一「ご苦労さんやったな」「んー」「慌てたか?」「ん?」「倒れたとき。親父。ああお前医者やったな」 健次郎 「いや。他人は毎日見てても。やっぱり身内となるとなー」首コキコキ 無言でうなづく昭一。 「なんべんあっても慣れへんわ。いつかは来る日と思うとってもな…」 ごろんと仰向けになる昭一「はぁ…」 遺影の前にイシ。おだやかな顔。なにかを話したそうな表情〜 夕飯〜 角煮がお寺に行くと聞き喜ぶ登・隆。登「おじいちゃん約束まもってくれた。絶対行き先みつけたるって」 昭一「角煮の身の振り方まで。どこまで面倒見がええのやろな」 町子「お寺に角煮がいてたら寂しくないね」 イシ「健次郎。お父さんのお墓のことやけどな。考えてたんやけど、お墓、奄美大島に立てたらあかんやろか?」 晴子「そんな遠いとこ。大変やろ?」昭一「ほんまやで」 イシ「あたしがします」 昭一「!?」 イシ「島に帰ろうと思う。」 みんなパチクリ☆
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85) 喜八郎の告別式の翌日、イシが「奄美に帰る」と言い出し驚く一同、、 「村に空き家はなんぼでもある」というイシ、健次郎「村で診療所開けんことも無いが…」と困惑。。 しかしイシは「一人で帰ります」と決意。 昭一「その年で一人で島帰るのか? イシ「 おとうさん言うてたの。もしわしが先に死んだら、墓は島がええなぁって。」 晴子「そんな話いつしたの?」 「こないだ。ついこないだ」 あの庭先でだったーー 「こない早うにそうなるとはね…」 ここが嫌なわけじゃないと、町子に話すイシ 「ただ、お父さんと知り合うた時のこと色々思い出してたら…急に帰りたくなって。」そんなイシをじっと見つめる昭一 健次郎は迷い、晴子は心配なので反対。 町子、思い切って「紙」のことをイシに訊ねる。 イシ「ああ。あれ?あんね(紙を取り出し広げる)これやの」 古い半紙に墨で「命名 正子 大正十五年一月十六日」 「正子が生まれたときに…。お父さんずーっとこれ持ってたの。正子が島の先祖代々の墓地に眠ってるから そこへ帰ってやるのもええなぁってお父さん。 」 みな目を伏せるが、昭一は母を、やさしく見つめる…。 深夜の居間〜 町子と健次郎。母の気持ちはわかるが、1人で島に帰すわけにはいかず。 町子「最初にお父さんと一緒になった村で、お父さんといろんなこと話ながら生きてきたんやわ。きっと。 島にいてたら、お父さんと最後まで夫婦でいてられる、そう思うたんと違うやろか」 健次郎「夫婦としてな…けど、実際は一人や。病気したら?怪我したら?」 −−悩む二人。 風呂に行こうと、二階から降りてきた晴子。縁側に座り込む昭一に声かける「お兄ちゃんも反対でしょ?」 「んー?」「なんぼ親戚や知り合いが居てるって言うても、心配やわ;お兄ちゃんもちゃんと止めてね。」 「ん。」 たこ芳〜 健次郎、りんのお酌で一人静かに呑む。考えこむ。 仕事場の町子〜 庭に気配を感じる。 庭で、しゃがんで角煮に話しかけている昭一。 昭一 「あんなー角煮。向こう行くやろ。黒い服着た人がぎょーさんおるときは、神妙な顔しとかなあかんぞ。 そいからなー寺が潰れたなんて話、聞いたことないから、食いっぱぐれは無いから心配するな。 そいとなー」 廊下の戸が開いて町子出てくる。 町子「お兄さん。さっきから角煮に、何をそない真剣に説明してはるんですか?ねぇ」〜暴れる角煮。ガジガジ逃亡 昭一「これ居候心得」 町子「え。ペットって居候違いますよ。番犬にもなるし。」 立ち上がり町子に向い直る。 昭一「そらそやな。大体寺に泥棒入ったら、犬どころか、いろんなモンに追っかけまわされるもんな」「ほんま(笑」 「あの、町子さん。ちょとなーつき合うて欲しいことあんねん」 町子「すいません;まだ仕事が…」 「せやけど、ちょっと一緒にきてほしいトコあんねん。頼むわ。な!すぐすむから」 手を握り強引に引っ張る 町子「ちょとお兄さん。ちょっと待ってください。仕事もアタシのこってますし−」 昭一「頼むから来てって!お願いやから」グイグイ 「寒いから、このままやったら!お兄さん!?」 昭一「ちょっ。来ていうてるー。そのままででかまへん!」町子をギュゥウ…と抱き寄せる「そのまま流せばいい」 玄関の生垣うらに連れ込む??昭一。襲っているのか?? 町子「ちょっと!待ってクダサイ!ちょっとサブイっちゅてんのに!」昭一をヘッドロック☆ たこ芳〜 暖簾くぐり入ってくる昭一。続いて町子。店には健次郎。 りん「お迎え?」 健次郎「なんやねん2人で」 昭一「オレが付き合うてもろたんや。あ、町子さんソコ」 〜健次郎の隣を指差す。 健「なんやの?」 昭一「ふたりきりやったら、話はずまへんやろ?」「兄貴と話はずまんでもええがな」 町子「恥ずかしいんでしょ。そしたら私こんにゃくと平天ください。」 昭一「あ。オレはねぇ〜コロとスジと…」 昭一「あんな、健。おかあちゃんの話だけどーオレな。」「えっ?」「…奄美一緒に帰るわ」 健町「…えっ!?」驚 「で、お母ちゃんと一緒に帰って、親父の墓守もしようと思う。」 健次郎「何をいうてんねや。ボクらに気ぃつこうて。気まぐれでそんなこと言うてんのやろ。 第一兄貴がひとつ所に落ち着けるわけ無いがな; 」 昭一「いや。気使うて言ってるわけやないよ。オレなー」 「使うてる」「違うて」「使てるて」 町子「健次郎さん。お兄さんの話最後まで」 「おおきに。ついて来てもーてヨカッタ。 オレね。あっちこっち旅して暮らしてきたやろ。 外国にも行ったし、いろーんな土地で、いろ−んな人に関わりあってきた。」 健「ほれみい。どこにも落ち着いてへんがな」町子「しーっ;」 「いやま。そらまー健のいうとおりや。健が正しい。そんなかでね、オレー(りんがおでん出す。軽く会釈) 生まれた奄美のこと、よー知らんなて気がついたんよ。」 町子「よう知らんて?」 昭一「医者にもなれへんかったからね。ハタチ前で島出たでしょう。こんな日本の片田舎で一生おわんの いややなーって思うたから。で、あっちこっち回ったけど、奄美ほどええとこ他にナカナカないぞ。 まだまだオレの知らんこと、いっぱいあんのやろなーって思うたら、島が恋しくなってきた。 オレみたいなみもんでも、なんかできることあんねやないかって。 今まであっちこち回って、見たり聞いたりしたことが、なんかの役に立つんやないか思うてな。」 うんうんと頷く町子 昭一「親父らのことでもな。今までずーっと健に世話になりっぱなしだったし…」 町子「健次郎さん…」 健次郎「兄貴。本気なんか?」 昭一「おう。」 健「ほんまにお母ちゃん頼んでええんか?」 昭一「うん。」うんうんうん、と頷く。 健次郎も頷く。 〜兄弟でアイコンタクト 昭一、箸をパシッと割りおでん食べだす。町子、手をあわせ「いただきまぁす」 そして、初七日がすぎた休日〜 まな板の上に尾頭付きの鯛。 町子「わー大きなお鯛さん♪」 前掛けつけた健次郎「おあい。はじめるぞ!」 男の子達「はーい!」 隆、健次郎の時計をはずす。 健「男の料理だからあんたは見てるだけ。」町子「はい。」 うろこが飛び散って、台所は大騒ぎ。 居間に女性陣。 純子「大先生が料理なんて!」 晴子「お刺身でしょう」 イシ「できないくせに〜」 晴子「やったらできるよ;」 イシ「お母ちゃん。それだけが心残りっ」 お造り、きれいに完成♪横目で見る晴子; かぶと煮の極意を純子に語る健次郎。晴子「はいはい。講釈は後。大人はコレ」お銚子。食事始める。 イシ「ゆっくりでええから、あんたも覚えていきなさいや」 沈んだ晴子「骨がのどに…」 と台所へ。 流し場で涙ぐむ晴子。 背を向けたまま、イシも涙ぐむ。 深夜の居間〜 「さびしくなるね」と町子「大勢で賑やかなお家と思ってたんやけど、いずれ子供達もでていって… 春になったらいきましょう。ふるさとが増えたようで嬉しい。連れてって!指きり。」「恥ずかしい」「誰も見てへん」
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