【火野正平・出演TVドラマリスト】おまけ資料
芋たこなんきん 10
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26週(最終週)「ほな、また!」 3/26-3/31
演出:真鍋 斎
146) ピ〜ポ〜 結婚式の翌朝、救急車で搬送される健次郎。不安顔で見送る純子。騒ぎを聞いて工藤も…。
ストレッチャーで運ばれる健次郎に寄り添う町子。

処置室のドアが開いて、加藤医師(串田和美)が説明「肺からの出血のため貧血に。今は意識もしっかりー」
町子「肺から?5年ほど前の脳出血とは?」「関係ありません」と医師。
ストレッチャーの健次郎。町子の呼びかけに目を開ける「は…大丈夫。ちょっとくらっとしただけや…疲れや」

別室で、医師からの詳しい説明を聞く町子。
「右肺に腫瘍があります。詳しい検査結果をまたないといけませんが…」 ←いけませんが…なに?いやな予感; 

病室に戻った町子「気分どうですか?」 「ましになった、」と健次郎
「お兄さんのことで気づかれしたんやねぇ;」 健次郎「やっと兄貴も落ち着いてくれたし…」
「どーっと、疲れがでたんよぉ;」「そーゆことですな。いつ帰れるって?」「少し熱もあるし、検査もするから入院って」
由利子入室「元気そうやんかーびっくりさせんといて」「たいした事ないで。」
「私たちが帰っても飲んでたんでしょぅ!」 町「おじいちゃんとずっと島唄歌ってた。」
町子は、一旦帰宅。

居間〜 ヤキモキしながら連絡を待つ和代。 「大丈夫ですよー以前だってちゃんと元気に。」と純子
「麻痺のあった手足もリハビリでよくなったし!」「そやねぇ〜」笑顔見せる和代。
「あ。ただいま〜」町子帰宅「顔色もええし〜心配あらへんわ。それでね…肺になんかできてるみたい。」と報告。
電話がRRRR…
純子「週間陽春…?はい。明日には;」 締め切り伸ばす事に。

入院の支度をしようと、廊下へ出た 町子。文鳥のかごに目を止める。
「かわいそにな。家族とはなれて、見ず知らずの家で最期迎えたんやからな」 健次郎の言葉を思い出す。
町子「アホなこと考えたらイカン!」  カーカーカー(カラスが鳴く)

病室〜 由利子と晴子「痰からんだりしてたの?」「…ちょっと前からな;」 医者の不養生を叱る晴子。
健次郎「説教するなよぉ。そーいうのが病気悪くするのやぁ;」 晴子ムスッ;
町子と純子が戻る。健次郎「なー町子。このうるさいの追い出して;」「わかりましたー帰りますぅ;」と晴子 
看護師が呼びに来て町子退場。

医師の説明聞く、町子と晴子。肺のCT写真を見せられる。
「右肺下部に大きな腫瘍が出来てます。細胞採取して検査します。」

病室〜 見舞いに来た昭一「んーせやけどビックリしたで。あの後倒れたってな。」 「ちょっと飲みすぎたんやな」
昭一「お前も歳をとったっつーこっちゃねー」 純子「お兄さまは、お元気ですものねぇぇぇ〜」「はいな」
純子がお茶入れてくれる「ああ。おおきに♪」 
健次郎「あーそや。北野さん結婚式きまったんやてね?」純子「はぁい。新婚旅行はNZなんですって〜」
昭一「ほぉ〜ええとこですよ!」 健次郎「行った事あるの!?」
「あーるある♪あんな。ニュージーランドって人間より羊の数のが多いねん。道路羊で渋滞してンの。」 一同(笑)
「いやほんまに(真顔)」 健次郎「ほんまかいなー;」
純子は和代を気遣い帰宅。 健「すんませんね」 昭一「お願いします」

町子と晴子。医師の説明を聞き部屋を出る。 町子「あの大きな腫瘍。悪いもんなんかな…」
「大丈夫やて。結果待ちましょう。」元気づける晴子。

その晩〜 お茶を飲み「はぁ〜しんどー長い一日やったぁー」町子疲れている;
純子「お疲れ様でした。これからお仕事ですか?」
夜は仕事、朝は病院、昼は仕事、夕方には検査結果を聞きに病院。晴子は東京に出張。
町子に促され帰宅する純子。町子が心配でたまらない。

翌朝〜 町子仕事を済ませ、予定通り病院へ。
町子「ねぇぇ。寝てないの?」 健次郎「あんたもやろ?その顔は徹夜明けの顔やな。締め切り前か?」
町子クスッと笑い「とぉんでもない。締め切りはとっくに過ぎてます。」−キッパリ
健次郎「得意げに言ってどうすんねん」(笑)

居間〜 和代「検査結果が出るんですか…」町子が結果をひとりで聞くと知り、動揺する和代。
帰宅するや、原稿に向き合う町子。純子がサンドイッチを差し入れ。

そして夕方〜 あわただしく出かける町子に、
和代が「町子チョット待って。−純子さんも一緒に行ったってくれはりませんか?ひとりで大丈夫やから」
純子「は?」 町子「ええの?」 「うん。」  純子「すぐに戻ってまいりますから。」 笑顔でお供。

門前〜 青空を見上げる2人。 町子「ええお天気やこと。…行きましょか。」 純子「はい。」
飛行機の音がゴォォォーーーー
 
 

救急車で入院し、どうなることかと思いましたが、町子と会話もできるようになった健次郎。
検査の結果を待ちながら、仕事場と病院の往復で、疲れ果てる町子。陰からいたわり、支える純子。
晴子が出張のため、検査の結果をひとりで聞かなくてはならない町子。実は不安でいっぱい。
純子には、和代の世話や、家事もあり、立場上、自分からは付き添うとは言い出せない。
そんなふたりの気持ちを、誰よりも察していたのは、はやり母・和代でした。
「純子さんも一緒に行ったってくれはりませんか?」 その一言で、張り詰めていた気持ちが和らぎ
肩の力がすーっとぬけた町子。 純子と一緒なら、立ち向かっていけそうです。町子しっかり!

146) 健次郎入院中〜 検査結果通知の日。町子時計を見て、医師の元へ。
健次郎「順子さんも一緒に行ってもらえ。あんたひとりやったら聞き間違いそうやんか心配や。
 あかんあかん。あわてて早とちりしたらえらいこちゃ。(純子に向かって)お願いします。」
「おかあちゃんにも同じこと言われた」と町子(笑  不安げな目で見送る健次郎。

加藤医師から検査結果の説明。
「残念ながら、悪性腫瘍ーーつまり肺がんです。」 画面が小さく揺れるwww町子の心情。
「手術ではなく、放射線治療を行います。根本的な治療ではありません…完治の可能性は少ないということです。」
町子「主人はあと…」 医師「一概には言えませんが…半年か1年です。」 呆然とする町子。
「わかりました。出来る限りのkとをしてやってください。」

放心しながら、病院の廊下を歩く町子。その後ろから純子…。

病室へ戻った二人。町子笑顔で「美女2人、戻ってまいりました〜」
健次郎「あらら…どこにそんな人いてはりますねん? 」「にくいたらしぃ;」
「一足先に戻ります。」目が泳いでいる純子。廊下に出るが、心配。。

町子報告「お薬で治療していきましょうって。手術はしません」「ああそう。…それだけ?」
「それだけ。そのお薬でね、肺の腫瘍をどんどん小さくしていきますから」 「そうか…。仕事あんのやろ。帰りや」
「まだ大丈夫よ。」 「はよ原稿渡してあげな。ちょと疲れたから寝るわーー」
「そ。そしたら、帰って書きますわね」 「なかなか、隠居はできませんな。」
「明日の朝きますから」「…がんばって。」 「はい!」笑顔で部屋を出る町子。

…扉を閉め、手すりにつかまって、震えながら深呼吸をする町子。 もちろん健次郎は察しているだろう…。

夕方・徳永家〜 町子帰宅。純子、夕飯の支度中「早かったんですね!?」
町子「帰って仕事しなさいーて。」純子に、お礼を言う。夕飯はいらないと、町子「臨戦態勢やー」
純子「大先生には?」「よういわんかったんです…」町子、仕事部屋へ

予定表見る町子。スケジュールがぎっしり。
純子来る「大先生には…本当のことをおっしゃった方が。お医者様です。気づいてらっしゃると。
 それに、先生達は、これまで、どんなことも話し合ってこられました。
 こういう大事なこと、隠し事は大先生悲しまれると思います。」
町子「そうですよね。いつまでも隠し通せる事やないし、ありがとう純子さん。ちゃんと健次郎さんにお話します」
「ごめんください」昭一、来訪。

机を囲む、町子・純子・和代、
そして 昭一「手術が、できへんの?…そんなに悪かったんか…」肩落とす。

縁側で、夜の庭を見つめ胡坐かく昭一。遠くで犬の声 机には和代。
台所からお茶をもってくる純子。兄の背中を見る「町子先生、ご立派でしたよ。」振り返る昭一。着席
純子「主治医の先生から、話を聞くとき、取り乱すことなく、じぃーっとお話を聞いていらっしゃいました。
 病室に戻る廊下を歩いてらっしゃるとき、あんな淋しそうな町子先生を見たのはじめてでした。
 声もかけられませんでした。 −でも、大先生にお会いになる時は、また元の町子先生に戻られて…。
 今だって(さぁ臨戦態勢や!)って。 」 昭一兄「臨戦態勢?」
純子「これから押し寄せてくる、いろんな事を、想像なさってるんでしょうね。」 涙堪える和代。

仕事部屋〜 気丈に仕事を続ける町子。ふと手を止める。 「…町子。」母のやさしい声。
「…おかあちゃん。」  和代「大丈夫か?」 「大丈夫よ!」と言いながら、目には涙があふれる。
それでも、原稿にペンを走らせる町子。こらえきれず嗚咽をもらす町子。
和代が、やさしく背中や腕をさする。「うっうっ」声を押し殺す町子。 ぎゅっと肩を抱きしめる、和代もまた涙。
涙をポロリとこぼしながら、書き続ける町子。

病院〜 看護師(八田麻住)が健次郎の検温。37.1度、ほぼ平熱。午後は先生と治療の相談。
健次郎「また徹夜か?」「ちょっとは寝ましたわよ〜」吹っ切れたように見える町子「あら、おかゆさん?」
ふぅふぅして「あーんして」と町子。とまどう健次郎「病人やないんやから〜照」

健次郎に真実を話そうと決めた町子だった。
 
 

町子が、医師からの告知を聞いた瞬間から、画面が小刻みに揺れ始めた。
ショックなことが突然おきたとき、確かに視界がこんな風になる。リアルな演出だ。
気丈に仕事を続ける町子に、声をかける母和代。和代が、仕事場へ来る事はめったにない。
こんな時に、やさしく抱きしめてくれて、思い切り 泣かせてくれるのは母親しかいない。
このシーン、今までで一番じーんときた。幸い、ウチは母が健在だが、亡くなっていたら号泣必至だろう。

病室で、ひとりの健次郎がずっと暗い顔をしていたのは「やはり、町子は話してくれないのかな…」と
寂しく思っていたからではないだろうか? 純子にも勧められ、健次郎への告知を決意した町子は、前日とは
うってかわって、清々しい表情になっていた。これが最善なんだと思う。なかなかできる事ではないが…

148) 病室〜 健次郎「で、話は何んや?」 唐突な切り出しに面食らう町子。
健次郎「肺の腫瘍のことか?」 町子「…昨日の加藤先生のお話なんですけども…まだ続きがあるんです。」
放射線治療を開始する事をうちあける町子。 「悪性の腫瘍やいうことやな。」健次郎が理解するには充分だった…
健次郎「そうか。手術もせえへんねんな。」 うなづく町子。 −−長い、俯瞰 fix−−

「…ありがとう。ちゃんと話してくれて。」

健次郎、お茶をひとくち。 ふぅ…肩の力が抜ける町子。 「わかった。」と健次郎。
町子「順子さんが…言うてくれはったんです。なんでもふたりで話しおうてきたんやから、
 隠し事をしたら、絶対にあきませんよて。 私もそうやなーて。
 仲間に敵の本当に姿教えへんかったら、一緒に立ち向こうていけませんでしょ?」
健次郎うなづく「今までそうしてきたからな」
「今までで一番大きな敵。ふたりやないとね。私ひとりやったら勝たれへんの」町子ウルウル
健次郎「ふたりでな」 町子「ふたりでね」 決意するふたり。

公衆電話から、隆に電話する町子。みんなが集まる事に。
隆「泣いたらあかんで。きっと良くなるから。」 「私もそう思ってる。ありがとう」町子、涙がキラリ。

応接間〜 段差で「グニャ」っとねんざした和代。左足クビに包帯;
痛み止め飲んで、しばらく安静。 次から次へと問題勃発〜

仕事場〜 傍らに「かもかの連浴衣」 暖簾はいつのまにか花柄に*
明後日は大阪で講演会。その翌日はTVで東京泊まり。
和代の事も心配で、孝子や信夫も動員することにーー。

その晩〜 子供達が集合。晴子も。健次郎の病状を説明する町子。
晴子「半年から1年…」登「手術もでけへんの?」 「そんな…」泣き出す由利子と亜紀(妊婦)。
町子「お父ちゃんね。きちんと受けとめてくれはりましたよ。」 「何かあるんでは!」といきまく由利子

純子に支えられ廊下を歩く和代にも、聞くともなしに会話が聞こえている。

私も「私も話きいてもいいかな…」と晴子。亜紀「治れへんて…」
町子「お医者さんは、これ以上ひどくならないようにやってくれはるんです。」
「他の病院にも…間違いかも!」納得いかない由利子。晴子が諭す。

電話で席をはなれる町子。

泣き出す隆。ティッシュ空で、探しに行く由利子。 清志「町子おばちゃん見てみい。シャキッとしとる」
亜紀「おばちゃん強いから。」 登「ほんまやな」 「せやね…」と晴子

晴子、仕事の伝言で町子の仕事場へ。いつものように、バリバリと電話中の町子。
ふと部屋の隅を見ると…ゴミ箱がティッシュで山積み。 気丈に頑張る町子の姿をじっとみつめる晴子。

翌日〜 孝子と信夫が来訪。応接間に顔をそろえる花岡一家。
信夫「えらいこっちゃ」 孝子「仕事だいじょうぶ?」 「お姉ちゃんは大丈夫!」
和代はしばらく信夫の家へ行く事に。 「おはようございます〜!」純子元気に登場。和代と病院へ。
町子も健次郎の病院に。

孝子「お姉ちゃん。いつも通りや。強いわぁー」信夫「ほんまに強いわ。」
アホな事いいなさんな!」和代叱る「平気なはずあらへんがな!」 信夫「…そらそぅやけど;」
和代「信夫。お母ちゃんな、やっぱりここにいてます。」 反対する信夫。「せめてケガが治るまで」と孝子
「いてたいんです!ココに。私がいてへんよういなったら、町子はひとりなんやで。
 病院でつらい思いして、夜帰ってきても家は真っ暗で、朝までひとりぼっちなんやで。
 そんな事。そんなかわいそうな事。お母ちゃんはたまらん。 せめて、お母ちゃんはそばにいてやりたい。」
話を聞いていた純子「もしよろしければ。私がお世話させていただきたいんですけど…」と申し出る。

病室で、りんごを擦る町子。健次郎「そうや。コバルトはじめたら、食欲なくなるゆーな」
町子「好きなもんやったら食べられるんちゃいますか?ゼリーとか、プリンとか、プルゥ〜ンとかチュル〜ルンとか?」
健次郎「黒糖焼酎ゼリーとかな。」 町子「あ。それ儲かるかも!?」 
「ワインゼリーあるしなぁ。徳島のすだちチュッと絞ってな。−−今度の阿波踊り行かれへんなぁ。」
町子「行けますよーカモカ連ですよー」  〜告知で自分達らしさを取り戻したふたり。
町子「んふふ。隆くんがね(泣いたらあかん)って」 健次郎「隆が?」「一番泣きミソやった隆クンがねー」

町子帰宅。 「えー?」和代が居るので驚く。 足袋を繕っている和代「いややの!よそ行くのは」「いやてぇ〜;」
純子「しばらく、私こちらに泊り込みにさせてください。」 「純子さんが?」
町子「おかあちゃん!わがままゆぅたらあきません」 和代「年寄りはわがままなもんです」
純子「そうさせてください。」 「よろしいんですか?もぅ〜笑」  〜和代と純子目配せ。連携プレー

健次郎のコバルト治療開始。 車椅子で「いってきます」 町子「がんばってね」
健次郎「がんばるのは機械動かす人や。ボクは寝てるだけ」「いってらっしゃい。」

闘病生活がはじまった。
  
  健次郎に事実を告白することで、自分達らしさを取り戻したふたり。これでこそ、本当の臨戦態勢だ。
「黒糖ゼリー」の話をしているとき、病室が、徳永家の居間にみえたでしょう?ねね

子供達や、花岡家の家族にも真実を伝える。町子の気丈な姿に、誰もが感心する。
しかし、そんな町子を誰よりも解っているのは和代。怪我もして、家事の助けにもならないと承知しながらも
「自分の役割はいつでも町子のそばに居てらること」と心に決める和代。母の愛は海よりも深し。
そして、和代を助ける純子「私でよろしかったら。−させてください。」そんな申し出方ががすてきだー
泣きミソ隆の「泣いたらあかん」発言にも拍手!亜紀ちゃん。かなりお腹が目立った。そろそろ出産か!?
149) 病室〜 食欲減退の健次郎「もうお腹いっぱいや…」 体力も消耗していく−−

コンコンコン… 「いよっ!」昭一笑顔で見舞い。続いて晴子。
昭一「偶然近くで会うてなー」「私も近くまできたから〜」 町子「お仕事?」晴子「うん。どない?」
健次郎「みてのとおり元気やで。」 うんうんうんーとうなづく昭一。
晴子「コレ。りんこもってきたよ〜お兄ちゃんスキでしょ。」「ありがとぉ。いまな昼ごはんおわったとこや。」
食器を覗き込む昭一…ほとんど食べていない。 町子「ありがとぉ。おいしそうや〜」りんご受
「食器返して、新聞買うて来ますわー」と町子退室〜

健次郎「何や?兄貴は手ぶらかいなー」 昭一「なに言うてんや〜俺はな、真心持ってきとるでしょ〜」
「兄貴の真心もぉてもなぁ;」 晴子笑。 「退院したらナンッボでも酒ごちそうするがな。
 ーけん。そや。奄美行ってな盛大に宴会しよ。」 晴子「そや!みんなで行こう!」 昭一「んっ」
晴子「費用は、昭一兄ちゃん持ちでー」 昭一「ナンデそうんなんねんっ!(笑)そうしよ。」

コンコン。看護士さんが点滴に。手早く作業して退室。

昭一、顔をゆがめる。晴子「大丈夫?」健次郎「うん。すまんなー心配かけて。」
いまにも泣き出しそうな昭一「絶対ようなるから。けん。あきらめたらあかんぞ!」
健次郎「あきらめてなんかないでぇ。やれる事は、全部やってる。
 けど、どうしようもない事もあるやろ。それが人生やがな」 口元震わす昭一。下がり眉;
「なんちゅう顔してんねんな。ボクは大丈夫やて」健次郎に諭される昭一。目を潤ます。
「そないうてもやな…お前…」うつむく。 晴子「お兄ちゃん;」
昭一「く…つっ…つ。あかん;オレ。やっぱ…すまんな。…お前の顔みたら…。(横を向く昭一)
 ほんまはな。ひとりでよう来んかった。晴子についてきてもうたんよ。(鼻ススる)なさけないわー」
健次郎「そんなことない…大丈夫や。ホレッ」タオル手渡す。 昭一くしゃくちゃに顔覆う。
「心配せんでええて。ボクにはこうして、晴子も兄貴もついててくれてんやし」 晴子「お兄ちゃん。」 
涙拭く昭一。


仕事場〜 看病と仕事を、きっちり両立している町子。 和代、純子に「お願い」

コンコン。純子に付き添われ、病室を訪れる和代。「お母さん…」驚く健次郎。
「町子が忙しいさかい、純子さんに連れれてきてもらいました。」 和代の足を心配する健次郎。席をはずす純子。
和代「ご気分はどないです?」「落ち着いてます」「そぉ。町子は仕事ばっかりで。健次郎さんをほったらかしてー」
健次郎「ちゃんと朝晩きてくれてます。2人でいると、ずっとしゃべってて、身体には良うないかも;笑」
和代「健次郎さん」そっと手を握る「がんばって!がんばってちょうだいね。」「…はい。」微笑みながら、手をさする和代。

数日後〜 タッパーにおでん「わぁ〜うれしいなぁ。コレ」健次郎、感激。
傍らに、和尚・工藤夫妻・俊平夫妻・りん「みつかったら、怒られるのとちがう?」「かまへんっしょ」健次郎笑
健次郎「なあ、俊平はん。いっぺん聞きたかったんやけどな。キンキラキンの服どこで買うの?」
工藤「オレもソレ、ずーっと聞きたかってン。」  ←私も聞きたかった(≧▽≦)

病状は、小康状態を保っていたが…そんなある日。 仕事場で、スケジュール眺める町子。ひらめいた!

健次郎「外泊許可?」町子「そ。土日。お誕生日♪健次郎さんの」「あぁ〜そうか」

居間にて誕生パーティー。机には、鯛やたくさんの料理!家族も勢ぞろい。
三角帽子を配る、町子と純子。健次郎にはシルクハット(手作り紙製) 「えっ;ボクもかいな」「もちろんですよ」と純子。

まんざらでもなく被る健次郎。町純「似合う似合う♪」 孫「似合う〜」 ←すでに孫が2人☆清志・登家

大きなケーキ入場〜 クリームが手につき「あっ。ナイショ」ペロリと舐める町子。←アドリブ
町子「え〜みなさんよろしいでしょうか?それではサンハイ」 ♪Happy Birthday to You お父ちゃん〜大合唱
ローソクを吹き消し、好物の鯨ベーコン頬張る。幸せそうな子供達の姿を見渡し、満ち足りた表情。
町子からプレゼント。「なんやろ?アッハハ!」箱から出てきたのは本物のシルクハット。粋に被る健次郎。
「きゃ〜似合うわ♪」みんな拍手。孫「似合う〜!」 ポーズ決める。町子「二枚目やね〜♪」

♪蘇州夜曲〜 赤い羽扇子で舞踊る町子・純子。 傍らにもちろん「バーカモカ」
由利子「お父ちゃん。何やん?コレ」 健次郎「ふたりのおハコや。呑んだら必ず踊らはんねん」隣でうなずく和代。
「ハッ!」と町子の合いの手で、一同大笑い。 「ハッソレ!」  ←調子に乗った町子の攻撃に、純子マジ笑い?

深夜〜 皆は帰宅。しげしげと、シルクハットを眺める健次郎。町子「しんどい事ありませんか?」
健次郎「ん。まあな。」 「そろそろお布団を…」「いや。もうちょっとここにおるわ」「…あそう。」
「町子。アレ持ってきて。残っとったろ?いつもの…」町子「アホな〜お酒なんてあきませんよ!」
健次郎「格好だけや。」 ---背後にかすむ、笑顔の「バーカモカ」…

おちょこで、なめるだけの晩酌。 「あーーーっ。うまいなぁ。」
切ない顔で見ていた町子、立ち上がり応接間に行き、久しぶりに「バーカモカ」に灯をともす。
顔を見合わせ微笑むふたり。  町子に返杯〜
 
  昭一が見舞いに。ほとんど手をつけていない食事と、点滴を見て、哀しくなってしまう昭一。
晴子に付き添ってもらい、頑張っては見たものの、「やっぱりダメ…」と、泣きながら自白。
病人の前で、オンオン泣いてしまうなんて、なんてダメダメちゃんなんでしょう〜
しかし、正直でやさしい昭一の「真心」を、しっかりと受け取る健次郎。想いは伝わりましたね。

見舞いに来た、工藤夫妻、俊平夫妻。りんと和尚はスーツ姿!?
… たしかに、病院で袈裟はまずいよな;
外泊許可をもらい、自宅で健次の誕生会。いくつになったんだろ?清志と登にも、すでに5歳くらいの娘が。
楽しいひとときであったが、最後の思い出作りに見えてしまう。センセ悟ったような顔してた。
いつもの晩酌、ずっとしたかったんだろんなー健次郎。
150) 病室〜 外泊から戻った健次郎は、日に日に体力が落ち、口数も少なく…。
昭一「来週からもぅ奄美やからな。そう再々顔出されへん。早ぉよくなって奄美来いよ。」
「…あぁ。今回は逃げられてへんねんな。」健次郎、力なく答える。あごには無精ひげ。
町子笑。 昭一「たくー口の減らんやっちゃな。ほんまに;病気長い事してー町子さんに苦労ばっかりかけて。」
「苦労ねぇ〜ん『いささかは、苦労したとはいいたいが、苦労が聞いたら怒りよるやろ』」と一句詠む町子。
昭一「はぁ〜七五調でキタ!粋なもんやねぇ」 3人笑顔。

徳永家・仕事場〜 相変わらず、忙しそうに原稿を書く町子。手を止め、ため息〜
数ヵ月後〜 庭は春から秋か?

加藤医師と面会する町子「そんなに悪いんですか?」 「お会いになりたい方があれば今のうちに…」
「夕べも大分、苦しそうでした。先生、出来るだけ痛み取ってあげてください。おねがいいたします!」

家に戻った町子。子供達に連絡。純子と仕事を確認。「対談の予定をずらしましょう」と純子。
「約束はちゃんと果たしたい。健次郎もきっと同じ事をいうと思う。」と町子。懸命に調整

病室〜 点滴受ける健次郎。薬のせいか目がうつろ。
しっかりと健次郎の手を握っている町子「ねぇ健次郎さん。私の全集が出る事になったの。」応えはないーー
「デビューからね。今までの著作が全部。花岡町子全集として出版される事になったのよ。」
健次郎、か細い声で「…遅すぎます。」「え?」「けどよかったな…」目を閉じる。
「ねぇ?ケンムンの話聞かせてよ。」「…もぅ、し飽きた」「私聞き飽きてないもん。」 「…ボクが。し飽きたて言うてんねん。」
「し飽きてない事言うて、ね。『町子愛してるよー』って」 「…口に出して言えることと、言えん事がありますっ」
疲れた様子で目を閉じる健次郎。 「……かわいそに。」「え?」「ボクは、あんたの味方やで」
涙があふれる町子。しかし笑顔で「なーにも七五調に言わんでええやないの。ね?それ川柳のつもり?」
「ボクは、あんたの味方やでーって言うておきたかった。」健次郎の目にも涙。
「味方?」さらにぎゅっと健次郎の手を握る町子。

翌日〜 病状はさらに悪化。酸素マスク装着。 子供達が次々と到着。亜紀ちゃんは出産秒読み。
町子「健次郎さん!亜紀ちゃんね、もうすぐ赤ちゃんがうまれるって!」 眠ったままの健次郎。
「ちょっと休んだら?控え室にベッドもあるし」と隆。「大丈夫、ここにいてるから。」離れたくない町子。
そんな町子のために、椅子を動かし、腰掛けるように促す清志・登。 晴子も到着。
純子さん、慌てた様子でドアを開け「亜紀ちゃん。産まれましたって!男の子♪」
「健次郎さん。亜紀ちゃんね、男の子生まれたって!聞こえる?ね?健次郎さん!」目を開かず…

清志、歌いだす♪こんにちは赤ちゃん〜 由利子も♪こんにちは赤ちゃん〜あなたの笑顔〜
みんなで♪こんにちは赤ちゃん〜あなたの泣き声〜

−−その数日後、健次郎は静かに息を引き取った−−

自宅に戻り、仏間で眠っている健次郎。葬儀の準備をする兄弟。葬儀屋と遺影を選ぶ清志。
枕元で、父の顔を見つめている由利子。顔にそっと白い布をかける。

その晩、子供達はそれぞれの自宅へ〜 居間に腰掛ける町子と純子。
町子「健次郎さんの顔ね。すべすべしてたでしょ。
  『楽になったでーあんたも早うこっちこんかいな』って言ってるみたいでしょ?
 私言うてますねん。もうちょっとだけ待てってくださいねーって」
純子「やっと、帰ってらっしゃいましたね。」 

たこ芳〜 並んでうつむく。いつもの仲間達。 工藤「先逝ってしまったなぁ」 俊平「そやな」
工藤「ええ人は先逝くんやなぁ。なんでやろな?(泣笑)…なんかしゃべってぇな〜;」
タエ「あんたうるさい!ベラベラと〜;故人を悼むって事ができひんのかいな;」
工藤「思い出話が供養や!なぁ、ご縁さん」 一真「ああ。そやで…そやけど…」言葉にならない;
佐和子「ご縁さんが泣いてどないすんの!」俊平「明日も、明後日も、本番があんねんからー」
和尚「わかってる。わかってるけど…今は坊主やのうて、友だちとして…」 全員でオロロン…
りん「ホラ!しんみりしたらアカン!賑やかなンが好きやったンや!笑っておくってあげな。
  ホンマ、腹立つわー こんな年寄りおいて先に死んでしもて。最後の最後は粋やあれへんやんか!」

居間〜 純子と葬儀の手配をする町子「そうだ。喪主の挨拶せなあかんですよね?
 やっぱり、健次郎さんの人生観とか、話さないけませんよね?ずーっと一生懸命生きてきはったんですから。
 ホレ。先輩のお医者さんたちも来はるし。暗なったらあかんーて、あんまりおふざけしましてもねぇ?
 物書きちゅうのは、こんなもんかーて、文芸協会の碑を汚す事になりますから…
 暗くなく、明るくなく、ちょーど、ええ具合ていうのが難しいもんなんですよねぇ;」 悩む2人。
純子退席。「困ったーどーしたらえーやえんやろね。健次郎さん」

天の声(ちゃんと笑いとってや…) 「は?」顔上げる町子。
ほの明るい光につつまれた健次郎「僕の葬式やで。そんなん笑ってもらってナンボやろ?」
目の前に腰掛ける「ちゃんと笑わしてくれなあかんで。」
町子「よーそんな好き勝手いわはれますわー楽になったと思うて。」 健次郎「羨ましかったら、早よおいで。」
町子「せやから何べんも、ちょっと待って下さいってーねぇ?あの唄、覚えてはる?」「唄?」
「前に作って、聞いてもらった」 歌いだす町子。

♪いつかは私も死ぬだろう〜だから喧嘩はしたくない〜
♪あの世であったそのときに〜 やぁやぁこんにちは言うために〜
 …デューク・エイセス「幼なじみ」の替え歌

健次郎「偽善やな。あの世行ってまで、べんちゃらなんてーアホらし。」
「そらそやね」アハハハハ  ひとりで笑っている町子を、廊下から見つめる純子さん。
純子「先生・・・?」心配;  「やっぱり健次郎さんって面白いわぁ〜」
潤んだ目で微笑みながら、喪主の挨拶を考える町子。
   
 

健次郎は、衰弱と痛みを緩和する薬で意識朦朧…。亜紀の出産を見届けるように、旅立った。
徳一の最期のように、特別な物語はなく、Nのみだった。
しかし次のシーンで居間に安置された健次郎が映ったので、私は(あぁぁ…;)と力が抜けてしまった;
夜中、皆が帰宅したにのち、喪主の挨拶に悩む町子の前に健次郎が現れる。
いつもの、あの饒舌な健次郎。夢に出てくる故人は、いちばん好きだった姿をしているんだろうな。きっと
町子は、限界に達すると、幻覚みるからなー今回も、健次郎が亡くなった虚脱感や、睡眠不足、
葬儀のバタバタも重なって、ナチュラル・ハイになっているのではないかしら。
浄土真宗のお寺の住職さんのことを「ご縁さん」と呼ぶらしい。最終目前で、やっと疑問が解消。
兄はあれが最期だったのかな。看取ることはできなかったのか? しかし由利子の唄の上達ぶりには驚く☆

151)  −−故徳永健次郎 儀 葬儀式場−−

大きなホールの斎場で、葬儀が執り行われている。大勢の会葬客。立派な祭壇。
笑顔の遺影を前に、経を読む一真さん。金色の立派な袈裟。
会葬者に丁寧に頭をさげる町子。隣には、葬儀委員長の池内先生。
前列に腰掛ける子供達。その後ろに昭一と晴子。純子、りん、たこ芳の仲間たちの姿も。立ち上がり、焼香する。

町子に挨拶する小川くん「元気だしてな」「ありがとう。」「結婚式の時の賭けは僕らの完敗やったな」
みすず「まちこぉ〜涙」「あんたが未亡人みたいやないの。」「池内先生にも言われたわ;」
加代子「おっちゃん。えぇ写真やね」「ありがとう。みすずもありがとう。」

告別式で弔辞を述べる池内
「。親しみを込めて、こう呼ぶ事を、ご寛恕ください。
 まさか、 カモカのおっちゃんの弔辞を詠むとは、思いませんでした。
 南国の南風から生まれた、豪気なおっちゃんの気風は、常にその言葉の端はしにありました。
 僕が、並木賞を受賞して以来、初めて大きな賞を取ったとき、すぐに花岡さんとお祝いに駆けつけてくださりー
 (どんな気分ですか?長年の便秘が解消されたような感じですか?)と豪快に笑い、 … 場が和む。
 コップ酒を飲み干されたものです。
 あなたは私に(物書いて、生きていくっちゅうのは、しかしまぁ辛いことですやろ。ちがいますか?) と言う言葉を
 口にされました。(まーそら色々と。難儀な事もあります。誰も助けてくれるわけでもな仕事だし)と申しますと
 (そうやと思う。)ーとおっしゃいました。いかつい顔に、照れを満載したカモカのおっちゃん。
 誰もが思い出を抱いて見送るのが、今日なんです。」

町子の喪主の挨拶
「祭壇の彼も、嬉しそうに微笑んでおりますので、こんな席ではございますけれども、もしおかしかったら笑おてください。
 私が昭和3年。彼が大正13年生まれ。同時代の嵐をかいくぐってきた戦友として、会うた時から話が尽きず、
 会えば時間を忘れて話を続けてしまう日々が続きました。彼が言うたんです。
 (いっそ結婚しようやないか。その方が話しやすいから。)けど、彼は5人の子持ち。私は小説化。
 (小説と家事、両方とも中途半端になってしまいそうやわ)と言ったら、
 彼曰く(何言うてはりますねんな。中途半端と中途半端2つよったら、満タンになるやないの)って … 笑いが起こる
 もちろん結婚してからも、嵐の日々は続きました。けど、子供達も本当に立派に成長してくれて、
 いまこうやって並んでくれている姿を見て、彼は心から喜んでくれている事と思います。
 私ある時ね。運命を好く見てくれはる八卦見さんに見てもらったことあるんです。
 (あなたたち、生まれ変わっても夫婦ですね)って。何よりも嬉しい言葉でございました。
 今度生まれ変わって、またどっかの街角で(中途半端と中途半端2つよったら満タンやないか)って
 プロポーズされるのかな思うたら、今から楽しみでなりません。
 みなさん。徳永健次郎を愛してくださって、ありがとうございました。
 そして、徳永医院を可愛がってくださりまして、ありがとうございました。
 カモカのおっちゃんの事、絶対に忘れわすれんといて下さい。本当に皆様、ありがとうございました。」

町子、目を潤ませ、笑顔で挨拶。 皆は、涙で大きな拍手。
微笑んで、町子を見守る遺影の健次郎。

夜。健次郎の祭壇の前〜座布団を足でよけ、畳に胡坐をかく昭一。 手には酒の急須とぐい呑み。
昭一「お疲れさん。あのな、天国行って、おとうちゃんとおかあちゃんに会うて。
俺はもうちょっと新婚生活を楽しんで、あとから行くから。」 遺影に、ぐい呑みを掲げて、きゅっと呑む。

夜・玄関先〜 町子「お兄さん、色々とありがとうございました。」
鞄を抱え、自宅に戻る昭一と晴子。昭一「町子さんも、おおきに。」頭下げる
晴子「お疲れでませんよう…」 町子「はい。」
昭一「ほな行くわ。あ、ちょいちょい奄美来てや。」 出て行く昭一。

晴子「ほんまに。ありがとうございました。」 深々と頭を下げる。
町子「あははっ。もうややわーやめてください。あらたまってぇー」
「お兄ちゃんね。ほんまに幸せやったと思う。ううん。思うんやないわ。絶対幸せやった。
 町子さんと一緒になって、あ兄ちゃん幸せやった。」 町子声にならずうなずく。

純子も帰りひとりになった町子。遺影と差し向かい。
「健次郎さん、お疲れさまでございました。安心してくれはりましたか。
 たくさんの人が集まってくださった、あったかい、えぇお葬式でしたね。」
笑って聞いている遺影の健次郎。−うっかり;健次郎の分の杯を取りに行く町子。
「病院にね。子供達集まってくれたでしょ?みんな頼もしかったわ。枕整えたり、頭拭いたり。
 清志も、登も、泣き虫の隆も」 涙が出てくる町子。口元を振るわせる…
「ほんまに、いろんな事ありましたけどね。ふたりで一生懸命頑張って生きてきてよかったー
 …こんな私と、一緒に生きてくれて(涙がツーー) ありがとう。
 今度生まれ変わって、また生まれ変わってよ。で、またまた生まれ変わって生まれ変わって生まれ変わっても、
 私のこと、見つけて下さいね。で、大好きだった言葉言うてね。
 (中途半端と中途半端、2つよったら、満タンになるやないか)って、ちゃんとプロポーズして下さいよ。
 私もね。生まれ変わっても、生まれ変わっても。生まれ変わっても。
 どんなことがあっても健次郎さんのこと見つけるから。 −−− はい、約束!」小指差し出す町子。
「そやから、私ね。さよならなんて絶対言いませんよ。健次郎さん。またね! 乾杯っ!」 ふはは…と小さく笑う。

2007年春〜
相変わらず、勢いの衰える事のない町子。仕事場で原稿を書いている。
「そろそろお時間でございます。」と純子。 「そんな時間?ほな今日は店じまい」
「お疲れ様でございました。」写真に話しかける町子。
和代も2005年秋、満100歳を向かえた直後に永眠。

応接間に、ポッテリしたパグ犬。純子「これこれ。マルちゃん♪お食事中でしょう」だっこ
町子「ヘイ!ミス・マルグリッド〜ディナーの最中に、席を立つというのは、
  レディーのたしなみとしては、いただけない事なんですよー」  ← あ。メスか(笑い
若いお手伝いさんに、後を任せ、お出かけする町子と純子。

ちょっと、歳をとった2人。ぴったりと寄り添って、支えあっている。
門前〜 町子「 明日のために充電しましょう」「はいっ」
近所のご婦人(田辺聖子・安宅みどり) に挨拶。 町子「あ。こんにちは」 婦人「こんにちわ*」

町子 「あぁ〜。きっと明日も晴れやね。」 純子「はいっ!」 
「あっはは。ふっふっふ(笑」 純子さんと寄り添い、
夕焼けの光につつまれて、楽しそうに微笑む町子。

−完−
   
 

最終回。爽やかな涙で終了しました。兄が遺影に語り掛けるシーン。足で座布団をよけたでしょう。
ああいう細かい芝居が、グッとくるのです。 意外にも、最終輪では、健次郎の台詞は一言もなし。
しかし、あの遺影がすべてを語っていました。笑っていたし、指切りでは、照れているように見えました。
最後に少しだけ登場された、田辺先生と秘書のみどりさんが、寄り添っておられる姿がとても印象的でした。

さてー長い長い朝ドラが始まり、三日坊主も覚悟で、視聴日記を書き始めました。
ご覧の通り。最初はあらすじメモのような感じで。軽ぅく書き始めたのですが、
物語にどんどんハマってしまい、恐ろしいボリュームへとエスカレートしてしまいました;
リンクも宣伝もしていないのに;小さい字で読みづらいのに; 毎日読んでくださった、数少ない皆様。
本当に、ありがとうございました* おかげさまで、完走することができました。正直自分でもびっくりです!

「芋たこなんきん」に出演する事で、役者火野正平の芝居を、大勢の方に見ていただくことができたと
感じました。ほんま。正ちゃん、ええ作品に出演してくらはりまして、ありがとう!おおきに。またね!乾杯っ!




update:2007.4.15